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時計は、脳波を読み取って起床時と睡眠時を区別するように精密に作られている。
この時計の研究・製作と配布で莫大な予算がかかったことが、先日も国会で追及されていた。
自分たちの払った税金がこうした事業に使われているのだから、暴動を起こす団体も少なくはなかったが、時間の流れとともに鎮静化されていった。
このほかにも就寝法は、100人以上の従業員を抱える企業を対象に、全従業員の平均睡眠時間8時間越えを達成した場合には、国が補助金を与えると規定している。
だが、その成果はかなり乏しいものである、と青山が見ているニュース記事には書かれてあった。
「ここまでくると馬鹿馬鹿しくて笑えてくるな・・・」
こんな法律が成立する世の中である。
もはやどんなことが起きてもおかしくはない。
青山は天井を見上げながらもそんなことを思っていた。
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