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雪(良かった、付き合ったとかそんなんじゃなくて。 まあ、昨日の今日でカレカノになるのも変よね)
自分で解釈しながら、うんうんと頷いていた。
そして、雪は賢治をからかってやろうと思いついた。
雪「あ、もしかしてぇ~、この登校をきっかけに吉岡さんの事好きにでもなっちゃったぁ~?」
それを聞いた賢治は、顔を真っ赤にした。
賢治「いや、えっとその… うーんと…」
などと、呟いて大きくはぁ~~っと溜息をついた。
賢治「やっぱり、幼馴染だからかお前にはなんでもばれんのな。 この事は誰にも言うなよ!」
賢治は少しはにかみながら言った。
それを聞いた雪はとても動揺した
雪(え…今なんて言ったの…? 遠回しに吉岡さんの事が好きだって言ったの?)
雪の頭は混乱していて、絞り出すように声をだした。
雪「え… 私冗談で聞いたのに…」
とてもか細くて聞き取りずらい声
だけど、賢治はしっかり聞き取った。
賢治「え?あ、そうなのか!? やばい超恥ずかしい… まあ、誰にも言うなよ!絶対だからな!」
賢治は顔を赤くしながら言った。
雪は、今にも泣きそうな気分になり、だけど泣いてはいけない。
賢治には、笑顔でこう言った。
雪「そっかぁ~、そうなんだぁ~。
うん、応援するよ。頑張って!」
雪は無理矢理笑顔を作り、ガッツポーズをして賢治に言った。
賢治「おう!サンキューな!」
賢治はいつも通りの笑顔で雪に言った。
ちょうどその瞬間、休み時間が終わるチャイムが鳴った。
雪「あ、休み時間終わっちゃったね。 じゃあまた後でね」
雪は賢治にそう言い終えると、自分の席に戻っていった。
席に戻ると心配そうな顔をしたみゆが、雪の方を見ていた。
みゆ「雪…大丈夫?」
みゆは、さっきの話を聞いていたらしく
雪の事を心配した。
雪「え?なにが? 私はぜーんぜん大丈夫よ!」
雪は、にかっと笑って言った。
いつもの普通の笑顔で笑ったはずなのに、みゆは心配そうな顔をしたままだった。
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