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ちょうどその時、先生が教室に入ってきた。
みゆ「帰りに話そう」
みゆは雪に、ボソリと呟いてそのまま前を向いてしまった。
なんだかんだで、放課後になった。
帰りのホームルームが終わった途端みんなが一斉に帰り、教室の中はすぐに静かになった。
静かな教室には、雪とみゆがいた。
みゆ「雪、今日の休み時間賢治君と何話してたの?」
みゆは、とても心配そうに雪に聞いた。
雪「んーとね。なんか賢治が吉岡さんの事好きになったみたいなのよね~。あ、賢治から口止めされてたんだっけー?まあいいや」
雪は、へらへらした口調でへらへら笑いながら話した。
みゆ「雪!いいんだよ?無理しなくて。辛いんでしょ?もう教室には誰もいないし、無理に気をはらなくてもいいんだよ?」
みゆは、とても力強く雪に言った。
雪は真剣な眼差しをみゆにむけられ、みゆの目を見ているとだんだん顔の力が抜ける。
雪(もういいや)
雪はそう思った瞬間、自分でも信じられないくらいの涙が溢れた。
雪「もう、もう、わからなくなっちゃったよ…
ずっと、ずーーっと賢治の事好きだったの…
なのに、よ、吉岡さんに取られちゃいそうで
それで…」
雪はしゃくりあげながらみゆに話す。
みゆは雪の背中をずっとさすりながら、うんうん、と話を聞いていた。
気がつくと、外は薄暗くなっていた。
雪はすっかり落ち着きを取り戻していた。
みゆ「もう大丈夫そうだね?」
雪「うん、いっぱい泣いたらすっきりした。
私なりに頑張るね!」
雪はニコっと笑いみゆに言った。
みゆ「うん! 頑張れ! もう外も薄暗くなってきたしそろそろ帰るか!」
みゆは、そういうと鞄を持って雪と帰っていったのだった。
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