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みゆ「転校生かぁ~、どんな子だろうね?」
みゆが後ろを向いて雪に話しかける
雪「まあ、どんな子でもいいんじゃない?」
雪は興味なさそうに応えた。
みゆ「男の子かなー?とか、かっこいい人かなー?とか考えないの?」
雪「うーん… 興味無いかな? 」
みゆ「もう!つまんないなぁ… あ、そっかぁ~雪の中では賢治君でいっぱいだもんねぇ~
他の男の子には興味が無いんだよね~」
みゆがからかう様な口ぶりで、ニタニタしながら雪に言った
雪「なんでそこで賢治が出てくるのよ! 別にあんな奴眼中に無いわよ…」
そう言いかけながらも、雪の中ではモヤモヤしていた
雪(転校生とかには興味無いけどもし、女の子で可愛くて賢治が好きになったらどうしよう…
2人が付き合ったりしたら…? 私になんて見向きもしないだろうな…)
雪は少し俯き、考え込んだ。
みゆ「じ、冗談だよ! 私が見るに、賢治君と雪ってすっごい仲いいじゃない?きっと両想いよ、ね?」
雪は顔を少し赤くしながら、ありがとう
と微笑んだ。
雪はふと、賢治の方へ目を向けた。
賢治は、前の席の滝本 直樹(たきもと なおき)
と話しをしていた。
彼は、目つきも悪く見た目もチャラいためだれも近寄らず、唯一の友達も賢治くらいだった。
雪は、何気なーく賢治達の話を聞いてみた。
賢治「なあ、転校生って突然だよな。女子かな?男子かな…あ、お前転校生と友達になれよ!お前、俺以外の友達ろくにいないんだから…」
溜息交じりに、賢治は直樹に言った。
直樹「別に友達とかいらね。賢治だけで充分だし、しかも転校生は女子だよ。友達になる気とかないし…」
賢治「へー、女子か… つかなんでお前が知ってんだ?」
賢治に聞かれ、直樹は少しだけ難しい顔をして
ちょっとな…と呟いた。
賢治も、聞かれては困るものなんだと思いそれ以上聞く事はなかった。
雪「転校生って女の子なんだ」
賢治達の話を盗み聞きしていた雪が独り言のように、ボソリと呟いた。
雪はなんとなく嫌な予感がした。
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