始まり

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雪(…昨日転校してきた吉岡さんだ… いつの間に仲良くなったのよ…) 賢治の隣でニコニコ笑いながら話している女の子は昨日の転校、吉岡えみだった。 2人が仲睦まじく歩いていて…端から見たらカップルそのものだった。 雪はそんな2人を見た瞬間、心がざわざわして とても苦しくなった。 見たくない 反射的にそう思い、すぐに目をそらす 心臓がドクンドクンとなっていて気持ち悪い しばらくし、朝のホームルームも終わった頃に教室のドアが開いた。 そこには、遅刻してきた賢治とえみがいて 先生が怒鳴った。 先生「もう朝のホームルームも終わったぞ!! なんでこんな時間に登校したんだぁ!!」 賢治「すいません!寝坊して遅れました!」 えみ「私は道に迷ってしまって…ごめんなさい!」 2人揃って、先生に深々と頭を下げる。 先生は少しだけ考え込むと。 先生「まあ、今回は大目に見てやるよ。 ただし次やったら、反省文だからな」 と、さっきとはまるで態度を変えて言った。 雪(なんだ… 遅刻しても大目に見てくれるんなら賢治と一緒に遅刻したかったのに… なんで、吉岡さんと一緒に登校するのよ…) 雪の中で黒い感情がぐるぐると渦巻いていった 休み時間雪は賢治に、吉岡さんと何故登校してきたのか聞いた。 賢治「いや、猛ダッシュで走ってたら曲がり角んところで、吉岡さんと激突してさ。 お互い尻餅ついただけだったから、大きな怪我とか無かったんだけどさ」 賢治は、そこまで言うと何故だか一呼吸置いてまた話し始めた。 賢治「んで、走っても遅刻確定だし、ならゆっくり歩いて行こうって思ってさ、しかも吉岡さんあんまし道覚えてないらしくて、案内がてら一緒に登校したってわけ」 雪は賢治に細かく話を聞いて、納得した 雪「曲がり角で激突って、恋愛漫画みたい」 雪はクスクス笑いながら言った。
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