2輪目 不甲斐ない憧れ

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「そう――あなたが言うんなら確かでしょうね。今度、私も直に会ってみようかな」 そう言いながら凪子は、開局50周年に贈られた胡蝶蘭の花を長い指でいじる。 「花って、植物の性器なんだよね・・・・・・こんなにムキ出しで。キレイだけど、けっこう挑発的っていうか、攻撃的じゃない? だからキレイなのかもしれないけど」 彼女の一言は、すぐにリクを連想させた。 それよりも、凪子の口から発せられた性を思わせる発言に、吉井は顔を赤らめた。
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