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非正規雇用のまま使い捨てにされるところだった吉井を、正規のディレクターとして拾い上げてくれたのは、順調にプロデューサーに出世した凪子だった。
今や上司と部下の関係で、いよいよ高嶺の花となった神谷凪子だが――。
吉井はまだ、あきらめてはいない。
五年前のあの日、絶好の機会を逃した不甲斐なさを未だに後悔しつつ、次に訪れるであろうチャンスは絶対に逃さないつもりだ。
凪子のそばに居続けて、ただそれを待ち続ければいいと彼は思っていた。
・・・・・・呑気にも。
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