1輪目 リクという花

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しばらく、三人で談笑する。 元来あまり会話は得意でない吉井だが、さすが元人気子役の如才なさで、リクとの会話はなかなか楽しい。 人の気を逸らさず、強引な割り込みをせず、若者らしい無邪気さも垣間見せる。 ともすれば少女のような愛らしい美貌は、笑うとまるで花が咲きほころぶようだ。 テレビや映画等のメディア越しに、大衆の人気を得るのは難しい子かもしれないが――。 こうして直に接すれば、誰でも魅了されるだろうな、と吉井は思った。
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