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「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」 なんで…… なんでだよっ!!! それはまた佐山に刺されるという夢だった。 「……っふっ…ううっ……くそっ……」 もう、いい加減この夢から解放されたい。 毎日学校では殴られナイフで脅され夢の中にまでも出てきて俺の事を刺し殺そうとする。 「もう嫌だ……」 そう思いながらも学校へと足は向かう。 教室に着くと佐山がさっそくこちらへやって来る。 『てめぇ……。チョロチョロ居なくなりやがって……』 ……? 何の事だ? 『死ねよ!』 !!! 今日は学校に着いた途端にナイフを持ち出した佐山が襲ってきた。 「うわぁぁぁあ!!!!!」 ドスッ……… 「うっ………」 何で…… 何でこんなことに……。 今まで見てきたのは正夢? 『きゃああぁあぁぁあ!!!!!』 クラスに悲鳴が響き渡る。 いや、夢なら刺されているのは俺だ。 目を瞑りもう一度目を開けるときっといつもの如く天井が目に飛び込んでくるはず。 しかし何度目を開き直してもそこには血まみれになって倒れている佐山がいた。 『正夢になっちまった……』 その瞬間頭の中に‘グンッ’と本物の夢が流れこんでくる。 その映像は虐められていた俺が仕返しにと持っていったナイフで脅すつもりが佐山を刺し殺すというもの。 どうやら僕の見ていた夢は佐山の立場から見た夢だったようだ。 ―――――――――――――――― 「うわぁぁぁあ!!!!!」 目を開けるとそこには見慣れた監獄の鉄格子。 虐められていた俺が心のなかで助けを求めそれが爆発して起きた事件。 虐めから始まったこの悪夢は永遠に覚めることはなさそうだ。
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