あの子と拳銃

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目を開けると、そこには怒り顔の先生がいた。 「私の授業で居眠りとは、いい度胸だな」 どうやら授業中に眠りこけていたらしい。額に青筋を浮かべており、今にも血管が切れてしまうのではないかと危惧した。 あれは全部夢だったのか。それは定かではない。他人を撃っていれば、その確認はできたのだろうが、自分に撃ってしまったのだから、確かめようがない。あの子も拳銃も、全部俺の夢でしかないのかもしれない。 でも、夢だからって、全部が嘘ってわけじゃないだろう。 「おはようございます。先生」 だって俺は、ようやく目が覚めたのだから。
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