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ママが心配するからと祖母に言われて、千紗はママにLINE送信。怒りのスタンプが返ってきた。しかし、ママもクリスマスには下川に帰るらしい。少し憂鬱になってきた。このまま祖母と二人っきりで雪深く外は寒いが室内はポカポカの聖夜を迎えたかった。友達の小百合ちゃんも一緒にお店で飲んで、祖母の美味しいパスタを食べた。玉葱と豚肉、ソースは普通のとんかつソースとケチャップを和えただけなのに祖母の愛情スパイスが効いていて千紗はママが未だ出せない、この何とも言えない素朴な味のスパゲッティが大好きだった。ママの同級生のスナック客が次々増えてきて、気が付いたら、あっという間に狭すぎる田舎の憩いの部屋は満席になっていた。今冬の雪は早いかなと、毎年降らない冬はないのだから諦めの晩秋の田舎の人口少ない街には笑いが溢れていた。降ろうとした雪は天に戻りそうないつもの夜が千紗のハートを温めてくれていた。千紗は疲れも出て、その夜は小百合と一緒に祖母の家に泊まった。
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