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だから僕は、星を見に行こう――そう思ったんだ、きっと。そう思う裏では、星が見えなければいいと、矛盾したことを思いながら。
そして、見上げた空に星はなかった。そのとき僕は息を吐いた。あの息はおそらく、安堵の息だったんだろう。
その後、星が出るのを待つ気で、ここに留まった。でもその実、いつまでも星が見えないことを僕は願ったのだろう。
君と見上げた夜空がいつもそうだったように。星は雲に隠れ、永遠にそのままでいて欲しかった。
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