第1章 謎の転校生ー

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私の名前は松井紗理奈ー。 どこにでもある普通の高校に通っている女子学生だ。 私には友達がいる。ただ、本音で語り合えてはいない。 そんな日常を変える人物が私の通っている学校に転校してきた。 _______________ キーンコーンカーンコーン チャイムがなり、全員がそれぞれの椅子に座った。 先生がドアを開けて入ってきた。 「みんな、おはよう。今日はな、転校生が来てる。紹介するぞ」 全員の視線がドアに向いた。 ゆっくりとドアの前に現れた1人の男性。 ゆっくりと顔を上げ、教室を見回した。 私と目が合った時に男性は“ふっ”と笑った。 (・・・・・あれ、今笑ったよね?) 私はそんな事を考えながら男性を見つめている。 「コイツは成海耀(なるみひかる)」 「成海耀です。よろしく」 丁寧にお辞儀した。 先生が教室を見回した。「えーと、席は・・・・・そうだな、松井の後ろが空いてるな。そこに座ってくれ」 (え!?私の・・・・・後ろ?) 私はど惑いを隠せなかった。 「・・・・・分かりました。」 私の席は1番後ろであり、窓の方だった。そのため、後ろの席だけが空席になっている。 成海はゆっくりとした足取りで私の後ろの席に向かった。 「1時間目は体育だからな、きちんと着替えて体育館に集まれよ」 先生はそう言い、教室を後にした。 「紗理奈!着替えようよ」 私は鞄から体操服を取り出そうとした。 が、鞄に体操服の入ってる袋がなかった。 「え・・・・・、もしかして忘れた?」 「紗理奈?どうしたの?」 「あ、先に行ってて。後で行くから」 友達は「分かった」と言って先に教室を出た。 それを見た私は机に顔を埋めた。 「体操服・・・・・忘れた」
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