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笑顔で答えた先生の言葉にドッと皆が笑う。
頬に熱を感じた私は急激に恥ずかしくなり、顔を下へ向けながら静かに腰を下ろした。
「今日からこのクラスの担任になりました、一色蛍です。担当科目は英語。二年間よろしくな」
クラスの皆は「よろしく」「やったー!」など歓声を上げている。
皆が喜ぶ中、私は担当科目が苦手な英語と聞いてハズレを引いたと思った。
蛍って書いて『けい』って読むのね。
女の子の名前かと思ってたし、こんな所でお目にするなんて思ってもいなかったから、思わず立ち上がって名前を叫んじゃったよ……。
あー、恥かいちゃった……。
あの時、名前しか無かったのは先生だったからなのか。
謎は全て解けたな。
ってかそれよりも、さっき先生、私の名前を普通に呼んでたよね?
初めて会ったのに名前分かるなんて凄いな。
クラス全員の名前覚えてきたんだろうな。なんて感心してしまった。
それから始業式が行われる体育館へ向かう途中、亜由から声を掛けられる。
「瑞季、ホタルちゃんの事知ってたの?朝は無関心そうな顔してたのにさ」
「知ってたっていうか、知らないというか」
「結局どっちなのさ!」
私が曖昧に返すと亜由がヒステリック気味に返してきた。
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