1 二年生 -promotion school-

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「一色先生、あんなにモテモテだし、格好良いんだから彼女いるんじゃないの?」 私は呆れながら周りに聞こえないようにこっそり口を開いた。 「昨日誰かが聞いたら、いないって答えたんだって」 既に確認済とは。 女子の行動力って凄いな……なんて感心してしまった。 「私には一色先生の格好良さは微塵も分からないけどね」 「同じく」 理沙ちゃんは一応笑顔だが、無関心そうな声だ。 やっぱり理沙ちゃんとは気が合うな。 確かに一色先生は背も高くて顔も整ってるけれど、私は中原君の方が断然格好良いと思うから。 もう会えないけれど、今でも鮮明に思い出せる彼の笑顔とか、全てにおいて。 「本当に誰かが一色先生の彼女になったら、あの子達どうする気だろ」 私はふと思った疑念をポツリ。 「だからこそライバルの確認じゃない?独り占めするなよ、的な?」 あの人達、一色先生をモノにしたコを総攻撃しそうだな。 おー、怖い。 でもね、 「でも先生、生徒のことキッチリ境界線引いてると思うけどね」 「確かにね。女性にも困って無さそうだから、わざわざ危ない道は踏まなそう」 「うんうん」 一色先生の目を見た時、直感で思った。 あの悲しそうな絵を観ていたからかもしれないけれど、瞳があの絵と同じように何処となく哀しげで儚げで冷めきっていて。 絵はその描いている人の感情が現れる。 本当にあの絵の作者なんだろうって確信させられた。 だから現実でもきっと冷めきっていて割り切っている人物なんだろうなって思ったから。
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