1 二年生 -promotion school-

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「場所知りません」 この学校には生徒が一学年三百人以上居るので、先生も沢山居る。 そのぶん職員室も沢山あるのだ。 「初日にこの二階の端っこの第二職員室って教えたけど?」 先生は少し呆れた表情だが、そんな事私にはどうでも良い。 「聞いてませんでした、すいません」 私は平然と笑顔で返した。 きっと成実にメールしてた時だな。 どうでも良いけど。 「ついて来て」 不機嫌な顔でそう言われた。 理沙ちゃんも帰っちゃったしな。 諦めた私は鞄を掴んだ。 先生に連れられて職員室に入ると、英語の教材が並んでいる机の前に横向きで座らされた。 先生は隣の空いている椅子を引きよせると私に向き合うように座った。 「何の話か分かってるだろ?」 「いえ、全く」 私はまた棘のある笑顔ですっ惚けて返した。 私の答えに先生は目を丸くした。 「西野だけ出さないなんて出来ないから。しっかりと親御さんと相談してーー「先生」 私は先生の話にお構い無しに言葉を被せた。 先生は一瞬肩を揺らすと、構えた表情に変えた。 「何?」 「私、どうなっても先生に怒りませんし、親やPTAにチクったりとかしませんから。進路希望はそれで良いです」 そう言うと私は立ち上がる。
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