1 二年生 -promotion school-

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「じゃあ進路希望調査しっかり書いて?書いたら観せてあげるよ?」 そう言いながら先生は憎々しい笑顔を浮かべている。 くっそ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!! 「何でそんなに拒むわけ?自分の将来のことだろ?」 先生は私をじっと見つめながら問い掛けた。 先生の瞳を見たくなくて、私は目を逸らした。 「……本当に分からないだけ。将来何がやりたいとか…どうしたいとか……」 今の気持ちも本当だけど、私が望む事はどうせ反対されるのは分かってるから。 それに何より、未来の事なんて考えたくない。 「そうか」 すると先生がポツリと溢した。 先生だから、私に進路調査を書かせないといけないだけでしょ? 私はどうなっても良いって言ってるじゃない。 それに真剣に悩んで本気でやりたい事を書いてる生徒ばかりじゃないでしょ? 先生だって、高校二年の時に真剣に書いたわけ? 教師って書いたわけ? ていうか、 「じゃあ先生は何で先生になったの?」 何気なく沸いた疑問。 それを沈黙の中、私は溢した。 だってあんなにも絵が上手いのに。 一色先生は画家じゃなくて、先生になりたかったの? 「ん~~~……」 先生は私の質問に唸りながら下を向いて何かを考え込む。 そして数秒後、突然パッと顔を上げて言った。 「情けないけど絵の才能が無かったから諦めて、英語が得意だったから先生になっただけ」 先生は笑ってはいるが、少し苦い表情をしていた。
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