1 二年生 -promotion school-

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その先生の表情とあの絵が重なって見えた。 あの色はきっと、夢を諦めた哀しい色なんだ。 だからあの絵は哀しそうで儚げに見えたのかな……。 急に胸が締め付けられたように苦しくなった。 「私は先生の絵、凄く好きなのに……諦めちゃったなんて勿体無い……」 そう思うと口から勝手に言葉が漏れた。 「何で、西野が泣きそうな顔してんの」 先生は一瞬ハッとした後、少し困った表情を作る。 「私は先生に才能あると思うから……」 これは本当。 ずっとあの絵の作者に会いたかった。 だから先生だったけれど、出会えた時すっごく嬉しかった。 「……さんきゅ」 先生は俯いて答えたのでよく表情は見えないけれど、照れているようにも見える。 「私ならあの絵、買います」 これも本当。 毎日眺めたい。 「……いくらで?」 「いくらって……一万円くらい?」 「ぷっ!安いな!」 私の答えに先生は噴き出して笑った。
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