1 二年生 -promotion school-

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「ちょっと待ってて」 突然、先生は私を放置して教室の後ろへ行き、何かを探し始めた。 何しているんだろう……。 ていうか私は、とりあえず私自身の事を考えないといけないな……。 高校進学の前、親に絵の学校に行きたいと話した事があったが猛反対された。 だからとりあえず進学したが、きっと次もまた猛反対されるだろうな……。 でも先生にもあれだけ言われちゃったし、親ともいつかは話さなきゃいけないんだよね。 はぁ。 人生って、溜め息ばっかだなぁ…… 「お待たせ」 考え事をしていたらいつの間にか先生が戻って来ていた。 そしてその手には二つのキャンバス。 「あ!」 二つとも文化祭の時のあの絵だ。 「観たかったんだろ?」 「……でも私まだ進路希望書いてませんよ?」 「でもちゃんと書く気になったんだろ?だから観て良いよ」 またすっ呆けるかもしれないのに…… 「ありがとうございます……」 心をむず痒くさせながら私は御礼を言うと、先生が机に置いてくれた絵を観察するように眺める。 「私、色をつける作業が苦手だから、とても綺麗な水彩のこの絵を見た瞬間ファンになったんです」 「そうか」
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