1 二年生 -promotion school-

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一枚は黄色や赤色のようなあったかい色もあるのだけれど、なぜかどこか寂しい花の絵。 もう一枚は茶色に青色、緑色に、赤の抽象画。 「この絵には題名あるんですか?」 私は抽象画を眺めながら指差して訊ねる。 「つけてない」 「そっか」 絵には感情が表れる…… 「やっぱりこの絵、先生に似てます」 「え?」 どことなく儚げで哀しい色が。 先生の瞳と同じ…… 『キーンコーンカーンコーン』 そこにチャイムが鳴り響く。 「予鈴だ」 そう呟いた先生を見る。 「え、もう?まだ観たいのに」 「また観せてやるから教室戻るぞ」 「はい……」 またあの絵に出会えたのに残念。 「そんなに観たいなら美術部入れば?授業中に夢中になって描く程、絵好きなんだろ?」 「……部活は良いです」 「そうか」
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