1 二年生 -promotion school-

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次の日の朝早くに職員室に行った。 先生が来る前に用紙を机に置いていこうと思ったのに先生は既に居た。 「おはよう。早いな」 私を見ると驚いた顔を作った先生。 「……はよーございます」 「何で朝から嫌そうな顔してんだよ」 先生は少しムスッとした表情で私に訊ねた。 すいません、顔に出てましたか。 「そんな事無いですよ。これ、提出しに来ました」 私は一応否定しながら進路希望調査の紙を渡した。 用紙には適当にこの辺りの私でも行けそうな大学を書いておいた。 「これで良いのか?俺は美大希望だと思ってた」 用紙を確認すると先生はやっぱりすぐにツッコんだ。 この人、変なとこ鋭いな。 「この学校から美大に進む人、滅多に居ないですよね」 ていうか、いないでしょ。 普通科なんだから。 「確かにそうだけど……」 「それに先生の絵が無理なら、私の落書きレベルの絵じゃもっと無理ですよ」 私は笑って答えるが、先生は私を見透かすような目で見つめてくる。 気まずくて私は瞳を逸らす。 「それで良いんです。本人がこう言ってるんですから」 「……分かった」 先生は頷いた。 納得はしてなさそうだったけど。
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