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先生だって言ってたじゃん。
才能が無くて諦めたって。
私も反対されてるから諦める。
これで良いの……。
今日は初めての体育の時間。
一年の時は十三組だったから自分たちのクラスだけだった。
今年からは六組と合同。
今年は六組の隣のクラス、来年は私達のクラスで女子が着替えることになった。
知らない子ばっかだし、面倒だな。
ここ最近気付いたが、『面倒』が口癖になってきたな。
「あの子が一色先生の気を引いてる子?」
ふと私の方をチラチラ見ている視線を感じる。
ヒソヒソ話するなら本人に聞こえないように話してくれないかな。
わざとなら堂々と私の目の前で話しなさいよ。
「瑞季、大丈夫?」
苛々して溜め息をつこうとしたら、理沙ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込んだ。
どうやら私の隣に居た理沙ちゃんにも聞こえたようだ。
あ、陰口叩かれてる私なんかと理沙ちゃんはいつも一緒に居てくれている。
「理沙ちゃん。無理して私と一緒に居なくても良いからね?仲良い子クラスにいるでしょ?その子のところにいつでも行っても良いから」
理沙ちゃんにも被害が及ぶかもしれないことに今更気付いて、彼女に私から離れることを促した。
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