1 二年生 -promotion school-

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「そういやこの前、部活の帰りに偶然将人に会った」 勇馬が言った。 将人(まさと)は私の一つ下の弟だ。 「そうなんだ。あの子またサッカー部に入ったからね」 将人は中学からサッカー部に入っている。 中原君と一緒だ。 「聞いた聞いた。ついでにLINE交換した」 「勇馬達、ホント仲良いよね」 よく二人は一緒にゲームをしていた。 そこにたまに私も混ぜてもらっていた。 「携帯、姉は一年買って貰えなかったのに将人は良かったな」 ずっと欲しいと親にせがんでいた携帯を、三月の初めに将人と一緒にやっと買って貰ったのだ。 「もう下が居ないしね。私だけ被害に遭ったよ……」 あの頃、携帯を持てていたら何か違ってたかもしれないのにな……。 まぁ今更、何を思っても無駄だけど。 「それよりも身長だよ。姉はドチビなのに、何で弟はあんな馬鹿デカくなったんだよ」 勇馬はお茶のペットボトルを握りしめながら悔しそうに溢す。 「ドチビとは失礼だな。でもそれ、私も聞きたいよ……」 「将人君、そんなに大きくなったんだ」 「デカいってもんじゃねーよ。見上げないと視線合わねーもん」 理沙ちゃんが意外そうに訊ねると、勇馬は更に悔しそうな表情を浮かべた。
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