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朝、寝ぼけ眼のままスマホのアラームを止めた。
はぁ。
スマホに表示されている日付が目に入った瞬間、私は溜め息をつく。
今日は彼の月命日。
彼を連れ去ったこの数字を見る度、悲しくなる。
今日はサボりたいな……。
彼が居なくなってから実は遅刻も結構していたが、二年生になってからは理沙ちゃんと約束したのでそうはいかない。
彼女には迷惑掛けないようにしないと……。
私はやる気のない重い身体を何とか起こした。
でも理沙ちゃんは今までの友人の中で気を遣わない一番気楽な相手。
だから無理はしていない。
『今日成実と買い物行くんだけど瑞季も行かない?』
学校に着くと紘子からLINEが入った。
でも今日はそんな気にはなれない。
『ごめん。今日はもう予定があるんだ。』
私は今日も嘘をつく。
彼が居なくなってからどれだけ嘘をついたか分からないくらい、嘘をついている。
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