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「いや、そこまでは言っていないよ…それは私個人の意見であって、結婚するのであれば、専業主婦として床の間にかざってもらえる方が幸せになれるのでは…と想って言うただけだよ。」
「部長、私には部長が言うてはる言葉の意味が理解できません…繰り返しておたずねしますが、夫婦共稼ぎの世帯はしあわせになれないと言うわけなのでしょうか?」
「なっ、何を言うのだね!!(ますます怒りぎみになって言う)私がいつそんなひどいことを言ったと言うのだね!!」
「部長…どうしていちいち目くじらを立ててばかりいるのですか!?」
「君が私に小うるさく反論したからだ!!」
「部長…そういう部長も、自分が犯したあやまちをよぉに思い出してくださいよ…」
「何のことなのだ一体!!」
「部長ね…9年前に(部下の女性)さんにマタハラをしでかしたことが原因で、(部下の女性)さんを無期限休職に追い込ませておいて、よぉそななえらそうなことが言えまんなぁ…部長が育ボスで(部下の女性)さんの娘さんの送り迎えをしていることと、部長のお宅に住まわせている原因がまだわかってへんみたいですね…母親が海外出張中と家族にウソつき回していたらそのうち手痛いシッペ返し喰らいまっせ…」
多香子の父親は、会計の男性従業員さんに言われた言葉に腹を立てて『水尾に言うておけ!!』と言うてから『祝儀は出さない!!甘ったれるなと強烈な声で言っておけ!!』と怒鳴りつけた後、デスクに座ってブツブツ言いながら仕事をしていました。
「…ったく…職場を何じゃあ想っているのだ!!うちの従業員どもは甘ったればかりだ!!」
夕方5時過ぎのことでありました。
多香子の父親が部下の女性の娘さんの送り迎えをしていた頃でありましたが、美香子は西区平沼にあるすき家(牛丼屋さん)でバイトをしていました。
美香子は一生懸命になってバイトをがんばっていますが、職を転々とすることばかりを繰り返していたことが原因で思うように働くことができずに苦しんでいました。
家にいれば、両親から『いつになれば結婚するのだ!!』などとどぎつい声で言われてばかりいたので、結婚する意欲もうせていました。
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