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一人前になったら………結婚を申し込もう。
オレは心を決めた。
ようやく出口が見えてきた。
研修先の病院も決まり、心から清々しい気分だった。
再び巡ってきた年越し登山。オレは参加を即決した。
久しぶりだと張り切るオレの横で葉月が表情を曇らせる。
冬の山は危険だと不安を漏らした。
オレは笑って彼女を抱き締めると暖め続けた言葉を口にする。
「葉月。戻ったら………結婚してくれ。」
彼女は目を丸くして、それから微笑み、涙を零した。
「………拓真!?…………嬉しい!………ハイ!よろしくお願いします!!」
━━━思い出すと胸が熱くなる。
オレは、確かに幸せを掴んだんだ。
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