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なのに何故此処で熊なんかになってるんだ?
オレは………オレの身体は何処に行ってしまったんだ…………
葉月は毎晩『たくまくま』のオレを抱いて眠った。
彼女はオレを相手にひとしきりお喋りをする。
今日の患者はこんなだったとか、オペが上手くいってホッとしたとか。
………葉月は立派なドクターになっていた。
相変わらずくまのままのオレは、流石に自分が置かれた状況を受け入れざるを得なかった。
葉月は時々、オレを抱き締めて名前を呼んでは涙を流す。
オレはガラスの瞳で彼女を見守った。
………葉月……………ごめん……………
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