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どのくらい時間が経ったのだろう。
縫いぐるみのオレには時間の概念がない。
オレの楽しみと言えば葉月の話を聞くこと。医師として腕を上げていく姿に、誇りに思うと同時にオレの夢を重ねていた。
一歩ずつ歩んでいく葉月が羨ましかった。
ある日、葉月がオレをまじまじと見詰めた。
「………たくまくま、随分汚れちゃったね。」
そう言うと、彼女はオレを風呂に入れた。
洗剤を溶かしたお湯で柔らかく押し洗いする。
マッサージみたいで心地良い。
え………ちょ、ちょいちょい!!待て待て!!た、タイムだ!!
そ、そこ洗う!?…………………あ………はぁぅ………………
………………いやぁん……………………………
なんて久々にキモチ良くなったのに…………
鼻唄なんか歌ってる!
凶暴化しちまうぞ!!どうしてくれるんだ!?今夜襲うぞ!!
……………………………はぁ~~~~~!
オレ、死にそう……………
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