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脱水のため洗濯機に入れられたオレは目玉が飛び出すくらい振り回された。
それから三日三晩物干しに吊るされた。
まったくもって情けない姿。オレの親が知ったら泣くぜ?
荒行が済んだら今度は全身をくまなく探られた。
「………やっぱり。破けてる。」
それだけ月日が流れたということか。
葉月は針と糸を取り出して器用に縫っていく。
ただし針と糸はピンセットで保持されてるんだけど。
完璧に職業病だろ!?………でもウデは……良い。
無事に縫合が終わるとブラシで毛並みを整えられた。
「フフ……男前になった。」
微笑んでオレを見つめる瞳が揺れる。
「…………拓真………私ね………プロボーズされたの。」
…………………………そうか…………………
彼女は年齢を重ねているんだ。
いつまでも戻れないオレは………彼女を縛る資格が無い……………
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