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側に居た彼女のお母さんが静かに言った。
「葉月。前に進みなさい。あなたは十分に苦しんだ。あなたが幸せになっても誰も責めたりしないわ。」
……そうだ。
オレはお前の悲しみを見てきた。
お前の涙を受け止めてきた。
お前を苦しめ続けているのは…………オレなんだ……
ごめん。
ごめんよ。
幸せになってくれ。
オレのために……幸せになってくれ!
そうしてオレは箱に入れられ仕舞われた。
彼女はやがて結婚した。
相手は同じ医師のようだ。
二人は志を共有し、愛を育む。
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