側にいるよ。

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生暖かい風が吹いた。 真冬の、山で………… 直後………… 「落石だっ!!気を付けろっ!!」 先輩の言葉が終わらない内に……岩が落ちてきた。 オレは間一髪で避けた。 オレの直ぐ横を鋭利な縁で風を切り、不気味な笑い声のような音を立てて岩が落ちる。 やり過ごしてホッとすると同時にオレのロープにガクンと負荷が掛かった。 焦って下を見ると………… 後輩がぶら下がっていた。 可哀想に。顔は潰れ頭蓋骨が割れている。 即死だった。 奴の減らず口はもう聞けない………… オレは奴の死体を引き摺って上がらなければならない。
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