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その時……………
「落石っ!!」
死神の仕業としか思えなかった。
落ちてきた岩がアンカーを挟んだ岩に当たり、信じられないことにそれを砕いた。
オレのアンカーが外れ、オレまでもが宙吊りになった。
頼りは先輩が打ち込んだアンカー一つ。
………支えきれる筈がない。
新しいアンカーを打ち込もうにも後輩の死体がオレを道連れにしようと崖下へと引っ張る。
「拓真っ!!アンカーを打ち込め!」
先輩の必死な声。
オレはナイフを取り出した。
後輩を落とさなければ身動きが取れない…………
「早くやれっ!こっちも持たないっ!!」
先輩の声にオレは必死で後輩を繋いでいるロープを切りに掛かった。
……でも………
ガクン!
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