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「うん。ほら、そこのバッグを入れた袋の下。」
「え~……………あ!あった!!」
オレの眼前の、笑顔を貼り付けた人形がフッと消えた。
………じゃなくて少女が掴んだんだ。
「わぁー!!綺麗!……葉月ちゃん、良いの!?凄いヴィンテージ物だよ!?物持ちの良い従姉妹を持つとラッキーだわ!」
少女が喜んでいる。
背後の声が笑った。
「美月ったら何処でそんな事覚えたの?ヴィンテージなんて小学3年生が使う言葉じゃないでしょ?」
「あれぇ!?葉月ちゃん知らないのぉ?イマドキの小学生はミカちゃん人形で遊ぶんじゃなくてコレクションするんだよぉ!」
「へえ~!時代が変わったのかしらね。」
なんて呑気な会話の最中も、オレは助けを求めて必死で手を伸ばして叫んでいた。
「助けてくれ!!おーいっ!!聞こえないのか!?」
『みづき』が不意にオレの腕を掴んだ。
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