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「その子ね、こないだ初めての彼氏ができたらしいんだけど、付き合って半年経ってもまだおやすみメールやってるんだって。」
「へえ、ホントクソしょうもねえな。」
まあ今まで交際というものをしたことがない俺がそんなこと言っても負け惜しみにしか聞こえないというのが、あまりにも厳しすぎる事実ではあるのだが。
そして彼女も同意見だったのだろう。さっきまで後ろでまとめてポニーテールにしていた髪の毛を徐に解除しながら
「あんた、そういうのうっとおしく感じるタイプなの?童貞の分際で。」
思いっきり見下すような顔と口調でそんなことを淡々と口にしやがった。キスすんぞこのやろう。
「うっとおしい以前に、寝る前にメールを送る意味がわからんし。そもそも今のご時世メールなんてやってるやつほとんどいないだろうし。あと童貞関係ないし。」
「ああ、そういえば今ってほとんどLINEよね。おやすみLINEっていうのかな?なんか言いにくい気しない?」
「たしかに。」
そう俺が答えるのが早いか遅いかくらいのタイミングで、彼女はまたしてもベッドに寝転んだ。携帯をいじるのは飽きたのか、ベッドの上にポンとそれを放り投げる。そして頭を手において天井を見る、いわゆるバンザイ寝というやつをしながら大きなあくびをひとつ。
「でさ、話戻すけど。その友達がまだ初体験済ませてないんだって。」
「おーい。話が大気圏外にぶっ飛んだぞ。」
「あれ?どこまで話したっけ?」
あまりの適当な会話にいつものように俺が話を切ろうかとも思ったが、今日は朝の星占いで1位だったということもあり気分が良かったので、どこまで話したかを簡潔に説明してやった。
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