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……さっきは醜態晒しちゃったからな…今度は失敗しないようにしないと
あれ最初で失敗したからまだ良かったんだよな…最後の方で失敗してたらかなりの高さで落っこちてたから無事じゃ済まなかっただろうし。いや心は大分ダメージ受けましたけどね?
無理に大剣刺して登らなくても指岩壁に減り込ませて登ればいいか?いやでも大剣で片手塞がるからそれは無理か…やっぱりカーズと同じ方法で登るしか無いか
「くっ!」
唯が岩壁に剣を突き刺そうとするが、上手く突き刺さらない。これじゃ身体を支えるのは無理そうだ
唯の弱点…というと聴こえが悪いけど人間という種族、そして性別が女性だから仕方が無いのかもしれないが腕力が他の皆より劣っている事だろう
ライオネルもそれを分かっていたようで唯には力付ける為の鍛錬をさせていたし…それでも一ヶ月程度では目に見える程の成果は望めない。人間の身体の仕組みがそうなっているからどうしようもないんだけどな
実戦の経験はライオネルとずっと闘っていたから俺達三人はかなり向上したとは思うけど
「…駄目か。ああ…自分の非力がこうも恨めしく思う日が来るとはな…」
「唯、俺の背中乗る?」
「え?」
「今度は失敗しないように加減しながら登ってくからさ。このままじゃ進めないし」
「唯、騙されるなよこいつ心中する気だぞ」
「しねーよ!?」
「…ふん。下手に良い所を見せようとしてまた失敗しました、などと巫山戯た真似はするなよ」
そう言い残してオルガは飛びながら華麗に岩壁を登って行く。うおー…速い速い…あっという間に登り切ってしまった
次いでジェーノを背に乗せたリオが同じように…では無いな。オルガはロッククライミングのような感じで登ってったけど、リオは登るってよりも跳んでいくって感じだ。凄いな…ほぼ垂直の岩壁を跳んでいけるなんて…リオは獣人の中でも身体能力高い方だよな
「よし、俺達も行くか!」
「あ…ああ。それじゃあ、えと…失礼して…」
凄くおずおずと唯が俺の背中に乗って来る。あ、ヤバいなんか凄く良い匂いする!!!!!
…いかんいかん!今は雑念煩悩振り払え!失敗したら唯を怪我させてしまうかもしれないんだぞ!!しっかりしろ暁 零也!!
「…随分と逞しい身体しているんだな…」
「んなぁっ!?」
「あ!口に出て…!?なな何でも無いぞ!?そんな不埒な事考えてないからっ!!」
「……何をしているのだあの二人は…」
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