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「しかし連れねえなぁ、お互い森を一つ抜けた仲だろ?
でもまあお前がそう言うなら無理には止めねぇけどよ、これからどうするんだ? 」
「分からないけれど、直感で何もかもやってみるよ。
これ以上は迷惑になってしまう、僕は十分に助けられた」
もしかしたら魔獣に殺られていたかも知れない、もしくは衰弱死していたのかも知れない。
「だが断る。今お前を置いていったとして、オレにとってはなんの恩返しにもなってねえな。
先ずはこの街の案内をさせてくれ」
「どうして君はそこまで....」
「言ったろ、恩返しだ。お前を置いて行くのはオレのプライドが許さねえ」
どうしてここまで自分に尽くすんだろう。
もしかしたら他にも理由が?でも可能性は薄そうだ。
「すまない、街の案内お願いしても良いかな?」
「お安いご用さ」
そんな会話をする中、気付けば門の入口にまで到達していた。
「さあようこそ、アルティマ王都へ!
とは言え中は広いから迷子にならないように気を付けろよー?」
そんな広いなら地図とかみた方が良いな....
「地図とかは?」
「無いな、とは言え各地に掲示板があって現在地付きのマップが貼られてるから問題は無いと思うがな」
各地か、なら迷うことは少ないのかも知れない。
しかしその油断が迷子に繋がるのだろう。
「とりあえずハイト、お前さんにはいくつか大事な場所だけ教えてやる」
「うん、お願いするよ」
それから自分は、基本的に必要になってくる場所を教えてもらう事になった。
「先ずはギルドの場所だ、ギルド総合役所は王都の西区にある」
「ギルドって言うのは?」
「お前さん大分忘れてるなぁ...
ギルドってのは、雑用から重要任務まで幅広く依頼をこなす職業さ」
幅広くか、ギルドは迷子の子供や落とし物の捜索、それから危険性の高い魔獣討伐の依頼まであるというイメージになっている。
「もし何かあれば自分もギルドに頼る事もできるわけだね?」
「そう言う事だ。一応この街のギルドの規模はでかい方だからまあまあ頼りにはなるぞ?」
大規模ってことは対応も早そうだな。
とりあえずどんな場所か見てみないとな...
「とりあえず続きは一度向こうに着いてからにするか」
こうして自分達はギルド総合役所へ向かった。
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