おいてけぼり

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中学2年の時、家族は私を1人おいてけぼりにした。 捨てられた訳じゃない。 死んでしまった。 『ちょっと出かけるけど歩も行くか?』 お父さんに誘われたけど 『友達と出かける』 と言って断った。 お父さんとお母さんと弟の祐一は夜になっても帰ってこなかった。 またみんなで外食でもしてるのかな? 何て思って連絡も何もしなかった。 そのうち電話が鳴った。 やっと連絡きたよ。 何て思って 連絡遅ぉ~い! 何て文句でも言ってやろうかと思って笑いながら受話器を取った。 …でも。 相手の声を聞いて意識が飛んだ。 『伊藤さんのお宅ですか?たった今○○病院でご家族が…』 何言ってるの、この人? 悪質なイタズラ? 『お亡くなりになりました…』 直ぐにタクシーに乗って病院へ向かった。 …夢なら…覚めてよ 肉親を全て失った。 学校に行ってもみんなガラス細工を扱っているような感じで、居心地が悪かった。 ちょっと悪さをしても 『今精神が不安定だから』
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