第1章

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「月が良い位置に昇るまで、 呑んで待とうよ……博雅に酌を」 命ぜられて薫が博雅の脇に座り、 手の盃に酒を注ぐ。 博雅が、 どことなく戸惑うような表情を見せた。 そんな博雅を、 薫が目元だけで笑う。 並んだ二人をなんとなく見やって……晴明がふと気づく。 ……これは……この二人、 似てないか? 瓜二つと言うわけではない。 見かけは薫の方が五つ六つ年下だ。
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