第1章

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しかし甘い色の髪も鳶色の瞳も、 形のいい薄い唇も。 気づけば博雅とよく似ていて。 全体が醸し出す雰囲気は、 薫の方が甘やかで儚いけれども。 「……晴明?」 自分達をまじまじと見つめる晴明に、 博雅が困惑した声を出した。 「あ、 いや……なんでもない」 自分でも無意識のうちに、 博雅に似た姿を式神に与えてしまったらしいと悟って。 晴明の唇に苦笑が浮かんだ。 「薫、 俺にも酒を」 薫が立ち上がり晴明の脇に侍る。 博雅はやっと息がつけるような気がした。 なぜか自分でも分からない。 ただ、 薫の存在が……自分の中に不安を呼び起こす。
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