第一話 おかしのお店とファッション誌

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二人とも、何か悪い魔法にでもかかってしまったのだろうか。 けど、そうではなかったらしい。その理由はコウキさんのお友だちのフィルさんが教えてくれた。    「コウキはミコトが、ナルさんはクウさんが……あまりに可愛らしくて、見惚れてしまったのですよ」 すぐにコウキさんが真っ赤な顔をして「違う!」と否定した。 そして、ミコトさんを見て、さらに真っ赤になって、「いや違うくはないけど、そうじゃなくて……」と頭を抱えてしまった。    「好きな女の子が可愛くなると、男の子は嬉しいのよねえ」 と、コウキさんの左でショーコさんが言う。    「だから、違うって!」    「おや。先程、違うのではないとおっしゃっていたではありませんか」 と、コウキさんの右でフィルさんが言った。  「その違う、そういう意味じゃなくて……」    「じゃあ、どういう意味のなのかしら?」    「そこのところを詳しく教えて頂けませんか?」    「そ、それは……」 フィルさんとショーコさんがコウキさんの両脇を固めて、問い詰める。コウキさんは何か言おうとしたけど、さらに顔が真っ赤になって、黙ってしまった。    「反論なしなら、ミコトちゃんが可愛くなって、コウキくんは嬉しいってことで決まりね」    「ということになりますねえ」 ショーコさんとフィルさんが笑い合う。 コウキさんは何も言わず、イチゴみたいに真っ赤になって、テーブルに突っ伏してしまった。
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