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レンのピンクの髪はとてもきれいだ。その髪は空の下では優しい光を放っているようで、水に濡れると艶やかな美しさがある。
まるで花のようなきれいな髪は人間の姿でも、本来の姿である人魚の姿でも変わらない。
それに似合うものを選ぶために意見を言うのは当然で、文句と言われるのは心外である。
……まあ、少し言い過ぎたかもしれないし、少し探すのを任せ過ぎたかもしれない。
「……苦労をかけたことは謝る」
「そう思っているなら、いいけど。その代わり、ちゃんとトラネコからレンちゃんに渡してよ」
「……う、うん」
レンに渡す。
貝殻を探すことに夢中になって、すっかり忘れていた。
レンのために探したのだから、これはレンに渡さなければならない。
だけど……
「まさか、どう言って渡そうか、考えてないとか?」
「……そ、そんなことは」
否定しようと思った。だけど……
「……考えてなかった」
と、何も思いつかなくて、正直にブータに言った。
「厳選して見つけたものだから、特別な言い方をしたほうがいいに決まっているよな」
「そうやって、いつもみたいに偉そうに言ったら、いくら優しいレンちゃんでも嬉しくないと思うよ。素直にあげる、でいいんじゃない?」
「せっかく見つけたものなのにそれだと適当すぎる」
「じゃあ、偶然見つけたとか」
「偶然、見つけたもので渡したくない」
「じゃあ、空から降ってきたとか」
「貝殻は空から降ってこない。隕石じゃあるまいし」
「じゃあ、好きな君のために見つけたものだって、言えば?」
「な、何でそうなる!!」
「だって、トラネコはレンちゃんのことが好きなんだろ?」
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