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「そ、それは……」
言葉に詰まる。
(人の言う通りにして認めるのはちょっと嫌だが)ブータの言う通り、ボクは…………レンのことが好きだ。
「……それとこれは関係ない」
「関係なくても、気持ちはちゃんと伝えたほうがいいよ。レンちゃんにまだ言ってないんだろ。一緒にいることになっても、そういうことはきちんと言わないと」
ボクは今、ネコの姿をしているが、元々は人間で、とある国の王子だった。
王子としてたくさん贅沢して毎日を暮らしていたが、その怠惰な生活ぶりが空の海の魔女の怒りを買って、ネコの姿に変えられてしまった。
元の姿に戻してもらうために空の海の魔女がいる空の海へ行き、そこでブータや他の空の海の住人たち、そしてレンに出会った。
それからいろいろあって、今は空の海の住人として暮らしている。
優雅な王子の生活から、空の海の住人になった理由は……レンを好きになって、レンと一緒にいたかったからだ。
いろいろあって……まだレンには自分の気持ちを伝えてない。
いないが……元々、そんなつもりで貝殻を見つけたのではない。貝殻をプレゼントしたくて、どうせ渡すなら上質なものを探しただけで、告白したいとかで探したのでは、全然全く絶対、そのつもりはない。
それに自分の気持ちを伝えて貝殻を渡すというのは、苦手な泳ぎを特訓するよりもハードルがかなり高く、泳げるようになるくらいかなり無茶で不可能なことではないだろうか。
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