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「文章でながーく言い訳しないで、貝殻をきっかけにして伝えてみたらいいじゃないか」
「言い訳なんてしてない。ボクたちが物語で書かれることはこれが初めてだろ。だから、ボクの状況を詳しく説明しただけだ」
「はいはい。でもさ、今回のキャラ投票で人魚姫姿のレンちゃんが一位になったし、人間の姿では七位だし……今回の投票の結果でレンちゃんと別の誰かが……って展開もあるかもしれないよ?」
「そんなことは困る! いや、そんなことはボクが絶―――――――対認めない!!」
「じゃあ、告白頑張って」
「ああ、もちろんだ! ……っていつから、貝殻を渡す話から告白することになっているんだ!」
危なかった。さすが大金持ちのブータは人を(正確にはネコを)流れに乗せるのが上手い。
危うく、流れに乗せられそうになった。
ボクのツッコミを気にすることなく、ブータが話を続ける。
「レンちゃんは優しいし可愛いし人気あるし、きちんと気持ちを伝えないと他の誰かとって本当にあるかもしれないよ?」
「ふん、そんなことは絶対にない。あるわけがない。ボクが認めない。ボクが認めない以上はそんなことには絶対にならない」
「うわー、すごい王子様理論だね」
「とにかく、レンにこの貝殻を渡す。それが今回の目的だ! いいな!」
「うん、まあそれが元々の目的だよね」
「だから、これをカッコよく渡す言葉を考えろ……じゃなくて、いいものを考えてほしい」
「うわー、さすが王子様お願いだね。……まあ。一応、お願いはされたし、一緒に考えてあげてもいいよ」
「うん……その、よろしく頼む」
ということで、ブータに渡す時の言葉を考えてもらって、ボクたちはショーコさんのお店へ向かった。
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