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「……あの、そのおかし交換……わたしも……いいかな?」
と、言ってきたのは肩で揃えた黒髪の女性。彼女のお名前はミコトさん。見るとクウさんたちが座っている奥のテーブル席に、ミコトさんのお友だちのコウキさんたちもいた。
「……わたしのおかしも分けるから……ダメ……?」
「そんなことないです。クウさんは……」
「わたしもいいですよ。ミコトさんも一緒に交換し合いっこしましょう」
クウさんがにっこり笑うと、ミコトさんもつられるように笑った。
クウさんの笑顔は陽だまりみたいに温かくて、見ている人も笑顔になる。人を笑顔にするクウさんの笑顔は精霊の力のようで、すごいなって思う。
「だったら、ここにいるみんなでおかしを交換し合いっこしましょ。おかしなら、いっぱい作っているし、みんなで仲良く食べたら、もっとおいしくなるわ」
「ショーコさんに賛成! ってことで、カリナ。早速、俺とおかしを……」
「だから、あんたとはしないって、言っているでしょうがっ!」
怒ったカリナさんがアルトさんに読んでいた本を投げつける。本はバンと大きな音を立てて、アルトさんの顔に当たった。
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