友達

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私は泥汚れした服を脱いで近くにあった昨日も着ていた服に着替えた。 ママはあまり服を買ってくれないから私の服は限られている。この服も昨日ママに叩かれたときに少し破けてしまったけれど、捨てるわけにはいかない。 ズキッと背中が痛んだ。ああまたアザが増えてる。 何日かして私は友達のあの子と何とかまだ仲良くしている。その子は少し冷たくなったけれど、そんな簡単に壊れる友情じゃない。 今日も給食をその子が率先して取ってきてくれるって、運ばれてきた給食はスープがなみなみと入って美味しそう。 でも一口食べるとなんだか変な味、なんだか… 苦い。 スープを飲みきった頃、なんだか気分が悪くなって来て、戻しそう。 私がそんな風に苦しんでいるのをその子はじろじろと見てきて、まるで観察するかのようで心配する様子がない。 それで気づいた。きっとスープに何か入れたに違いない。 私は段々と苦しさが増す中、先生にお願いして保健室まで連れて行って貰った。 その間もチラリと見たその子の表情は坦々した表情で、やはりあの子が何かしたに違いない。 保健室で休んでいると程なくしてママが迎えに来た。先生が呼んだらしい。 余裕のない私は恐いママでも戸惑いなく連れられ家まで帰った。 給食も途中だった私にママは自分用に作ったチャーハンの残り物を運んで来てくれたけど、もう少し柔らかいものならともかく今の気分でそれは食べられない。 夕方頃にママが私の部屋にあの子を連れてきた。 家まで押し掛けてきたみたいだ。 一体何しに来たというのか、私に何かを飲ませてまだ気が済まないのだろうか。それとも謝りにでも来た? ママはその子と私を二人きりにして部屋を出ていく、今はその方が都合がいい。この子と話がしやすい。 「何しに来たの?」 私の問いにその子は答えない。 ゆっくりとこちらに近づいて私の横に立つ その表情は乏しく、何を考えているのか分からない。 するとその子は私の頭の下にある枕を引ったくり私の顔に押し付ける。 もがいてもまだ力が入らず、息が出来ずに意識が遠退く。 私は… そのまま…  動けなくなった。 「もう時間も遅いわよ」 ミヨの母は部屋までやって来てサツキに声を掛ける。 「はい、帰ります」 ドアのところまで来たサツキは振り返りミヨに言った。 『おやすみ』
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