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そう言うと本栖はなぜか、一本のボールペンを河口の足元に放り投げた。思わず河口が拾おうとすると、本栖は右手できっぱりと制止し自分でボールペンを拾った。 「あの子が起こした行動に期待通りに応えてはいけないよ。あの子に頼まれたことは、たとえ一本のボールペンを拾うことだってしてはいけない。ボールペン一本から、全てが始まってしまうからね」  河口はごくりと何かを飲み込んだ。 「本栖さんにとって、彩子さんはいったい、どんな存在なんですか?」
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