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「これを探しに来たの? だったらあげる」 「え?」  彼女がこちらに放り投げた何かを河口は両手でキャッチして、自分の手の中に収まった物を見た。 「ぎゃああああ」  河口は驚きと恐ろしさで悲鳴を上げた。 「どうした、河口!」  河口の悲鳴を聞きつけて、いつの間にかこの別荘の近くに来ていた吉田が河口の側に駆けよった。 「吉田さん、指です。自分の指を切断するなんて」 「指だって? 本当か? 見せてみろ」
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