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……時は過ぎ、少女は成長していた……
「ケイってばバカよねえーまたユウトに騙されたんだって?」
夜、街外れのコンビニエンスストア前の駐車場にふたつの影があった。
「へへへ、別にイーじゃん」
彼女の名前はケイ……どちらかといえば、本来、大人しい性格だった……
「なに笑ってんのよ!騙されたって言ってんのよ?アンタ……ユウトに貸したお金なんて返ってこないわよ?投資だっけ?あんなのウソウソ」
「ふふふ、ショーコちゃん、いいのよ。そんなこと。ユウくんに騙されたとしても、それは『はじめて』のことだもん」
「はあ?あんた根っからのバカね。ユウトの前の彼氏、健吾だっけ?あと剛志?その前は……ええと……純也か……みーーーーんな騙されてるじゃないの!」
「いーのいーの!みんなみんな『はじめて』の経験なんだから」
少女……ケイ……は、『はじめての経験』に飢えていた。それが良きにせよ悪しきにせよ『はじめての経験』をすることが、すなわち『生きていること』と思っていた。
「ケイ……そんなのダメよ。もう、ケイは都合のいい女ってみんな思ってるんだよ?いーの?それでいいわけ?ダメでしょ?『はじめて』なんて気にしてたら、どんどんエスカレートしちゃうんじゃない?今度の、竜也だっけ?アイツ……絶対アブナイわよ」
「んーーーーそう?リュウくん?優しいけどねえー」
「ったく、ほんとにアンタ男を見る目がないんだから!」
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