あらかじめ用意された闇

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 実際のところ、ケイは本能的には竜也にピリピリとした感覚を感じていた。しかし、それはこれまでに経験したことのない感覚であり、ともすると本当の『恋』のように、自分を変える嵐のように感じていたのだった。  ――ブロロロロロー  黒塗りのワンボックスカーが二人の前に停まった。 「ケイーわりーわりー、待った?」 「リュウくんー待ってないよー」 「ちっ 30分以上待ってるじゃん」 「ん?ええと……キミは……たしか友達のショーコちゃんだっけ?居たの?」 「居たわよ居たし!1時間前からね!」 「あ……そ」 「ほら!ケイ、こんなふざけたヤツよ?帰ろう帰ろう!」 「えーっ、いやよショーコちゃん、これからドライブ行くんだし。はじめての!」 「…………」 「ショーコも行く?」  竜也はそう言って車のスライドドアを開けた。  紫色のネオン装飾が輝いて見える。 「ちっ い、行きたくないけど……行くわよ。ケイが心配だし」 「ショーコちゃんありがとう!友達ね!」  二人を乗せた自動車は街外れに向かって走りだした……
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