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「おはようございます」 門に立つ守衛さんに挨拶をし、職員入り口までの歩道をゆっくりと歩く。 花壇に植えられた花々は今は芽吹くのを待っている状態で、常緑樹の木々が寒々とした空気を木漏れ日という形で癒していた。 でもまだ肌寒い二月、私はマフラーに顔を半分埋もれた状態で出勤となっている。 「おっはよ! 比奈ちゃん」 背後からパタパタと足音が近付いたと思ったら元気に声をかけられる。この声は見ずともわかる親友の山内千佳だ。 「おはよう千佳ちゃん。今日も寒いね」 「寒すぎて布団から出られないよ」 私たちは冬の定番の会話をしながらロッカー室へ向かった。 「ふぁー、暖かい」 さすがに着替える所とあって暖房が効いていた。
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